〜SRSで見たUFC32の感想〜



宇野 薫 vs ファビアノ・イハ ×
1R 1"49 TKO
観戦感想記
 宇野選手の復帰戦の相手は、祖父が日本人だという日系3世のブラジリアンファイター”ファビアノ・イハ”。柔術の黒帯でもあり、日本でも高瀬選手を相手にTKO勝ちを収めているトータルファイターである。特に、腕十字と三角締めの威力は抜群で、秒殺の山を築いてきている。UFCのライト級は、ジェンス・パルバーを筆頭にディン・トーマス、B.J・ペン、デニス・ホールマン(ライト級?)など、強豪選手のみがエントリーされている激戦区である。タイトル戦に敗れてあとがない宇野選手としては、かなりのリスクを背負った復帰戦となった。
 オープニングブローはイハの鋭い右ローキックが宇野にヒットし、試合は打撃戦の様相を呈したその瞬間、宇野は胴タックルへ。宇野はイハを軽々持ち上げると、お返しとばかりに今度はイハがフロントチョークを狙う。すかさず宇野も外しにかかり、両者一旦距離をとる。この後もイハはスタンドの打撃を狙い、右ストレート、左右のフックを振り回す。宇野はイハの打撃に冷静に対処し、完璧なタイミングでタックルを敢行する。イハはテイクダウンを取られるも、下からの十字、三角を狙うが宇野も事前に察知し再びスタンドへ。再度、イハの打撃をかいくぐり宇野はタックルを決め、ガードポジションへ。イハが腕十字を狙ってきたところに右のパンチをヒットさせ、続けざまに右ストレートを見舞った直後、イハは失神。その後、宇野は計8発のパンチを繰り出したところでレフェリーがストップした。
 互いに攻防が一体となった動きの多い試合であったが、勝因は宇野選手の試合巧者ぶりであろう。特に前半の印象では、イハがパンチで積極的にプレッシャーをかけていたように思ったが、連打とクリーンヒットを許さず絶妙なタイミングでタックルを決め、下からの関節にも冷静に対処した動きはさすがである。相手にペースを握らせず、相手の得意の攻めをすべて封じきっての勝利は価値の高いものであろう。宇野選手の打撃には伸びがあり、以前にも増して力強く感じられた。以前からボクシングのトレーニングに取り組み、ケビン山崎氏のもとで肉体改造にも励んだ結果なのであろう。
 格闘家の中で宇野選手ほど成長の過程を見て取れる選手も珍しい。それは、宇野選手のプライベートや練習に対する取り組みなどが記事に多く取り上げられるからだけでなく、練習でやってきたことを確実に試合の中で披露することができる数少ない選手だからである。また、宇野選手ほど心の欲求を表にだす選手も珍しい。自らの思いを口外することは逃げ道をなくし、評価の目をよりシビアにする。しかし、その逆に注目を集め評価の的にさらされるため、思いを成し遂げた時の賞賛は2倍にも3倍にもなるだろう。かくして、宇野選手は自らの思いを口外することでチャンスを得、結果を残すことで2倍3倍のスピードで自らを成長させてきた、有言実行型ファイターである。
 宇野薫は現在もアメリカで自らの思いを成し遂げようとしている。次の試合でアメリカでの彼の評価が決まるだろう。




B.J・ペン vs ディン・トーマス ×
1R 2"42 TKO
観戦感想記
 ジェンス・パルバーに勝って宇野薫に敗れた戦績を持つディン・トーマス対ブラジリアン柔術でブラジル人以外での初の外国人王者となったハワイ出身のB.J・ペン戦は、次回のチャンピオンシップの挑戦者を決める上で重要な意味を持つ試合となった。
 開始早々、差し合いからトーマスが外掛けでテイクダウン。上になったトーマスは、コツコツとボディにパンチを重ねる。ペンもそれに付き合う気は無く、下からトーマスの左足を抱えた上に自らの左足をトーマスの右手を絡ませるという見たことも無いポジションを披露する。グランドの攻防から一転スタンドになるとトーマスが積極的にパンチを出して行く。2人が密着したその瞬間、ペンの体が宙に舞った。トーマスのアゴにペンの膝が強烈にヒットし、ダウン!レフェリーが間に入り試合終了。
 柔術家の見せた強烈な打撃が、一際印象に残った試合であった。次のターゲットは宇野薫か?




ティト・オーティズ vs エルビス・シノシック ×
1R 3"32 TKO
観戦感想記
 メインイベントはいよいよリアルアメリカンヒーロー"ティト・オーティズ゛の登場である。これからのUFCの人気は彼のパフォーマンスに掛かっていると言っても過言ではない。
 そんな中、矢継ぎ早に組まれるタイトルマッチの挑戦者に指名されたシノシックは、前回UFC初登場にしてノーホルド・バーズの鉄人ジェレミー・ホーンにまさかのKO勝ちしてしまった新進気鋭の選手である。ちなみに、去年のK−1にてフランク・シャムロックと対戦し判定までもつれた選手である。フランクが久々の試合ということもあって、スタミナ切れを起こしたので苦戦を強いられたかに見えたが、その実力は侮れないものであることが証明された。
 しかし、試合が始まって見ると一方的なワンサイドゲームであった。攻防の中で、時折打撃を出したけれどティトの圧力に押され、パンチを食らいつつテイクダウンを取られる。上になったティトはエルビスの頭を金網に押しつけ上からパンチを叩き落とす。威力もさる事ながら正確性も増したそのパンチにシノシックは防戦一方。レフェリーが止めるまでに数十発のパンチとヒジを叩き落とす非情な攻めを見せ、ティトは王者の圧倒的な強さを誇示した。
 試合後、ティトはプライドに上がる準備があり、対戦相手に桜庭を指名した。UFCが交流を望んでいる今、是非ともプライド側にも選手のUFC参戦を勧めてもらいたい。



観戦後記
 最近のおいらの悩みと言うと、リングスとUFCがテレビにて観戦できない事です。リングスはWOWOWに加入すれば良いのですが、UFCは今のところ見る手段がないはず。(知ってたら教えて〜)そんな中、SRSはおいらの見たいと思っていた試合を全て放送してくれたので、嬉しさのあまり遅れ馳せながら観戦記を書いてしまいました。。SRS万歳!!宇野薫万歳!!感想お待ちしております。長文、お読み頂きありがとうございましたぁ!




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