2000年12月17日、宇野薫がウェルター級のベルトを返上して以来、早一年が過ぎようとしている。修斗を揺るがす衝撃の結末に、その王者がことごとく返上を繰り返すという事実から「呪われたベルト」とまで揶揄されたウェルター級のベルト。2001年8月26日においては、五味隆典と三島☆ド根性ノ助の間で争われるはずも、三島の負傷欠場により決定戦そのものが中止となり、その魔性ぶりを存分に発揮している。
そんな魔性の力に、幾度と無くベルトを巻くことを阻まれてきたシューター「佐藤ルミナ」。本来ならば、5年以上も前に巻いているはずだったウェルター級のベルトを、彼は未だに巻いたことがない。若かりしルミナが、ウェルター級のトップランカー越えを繰り返している時、チャンピオンである中井祐樹は既に右目を負傷していた。中井祐樹VS佐藤ルミナのチャンピオンシップを夢見た坂本プロデューサーが、一度はコミッションに直訴するも、その結果は歴史が証明するように“否”。
その後、ルミナが初めてのチャンピオンシップを経験するのには、3年もの歳月の流れが必要であった。その一番の理由は、チャンピオンシップを争うにふさわしい対戦相手がいないというもの。強さの象徴であるはずのチャンピオンベルトを、その強さ故に巻くことが出来なかった佐藤ルミナ。
しかし時代は流れ、2度のチャンピオンの座に就くチャンスを逸したルミナには、以前後輩であった五味に指名をされるという、屈辱のチャンピオン決定戦が待っていた。「なめられていると思った。」という本人のコメントとは裏腹に、下馬評では、五味の圧倒的有利。ルミナに対してファンの声は、「勝つ」だろう、という予想よりも「勝ってくれ」という願望へと変わっていた。
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