【ライト級タイトルマッチ】
K'z 初のチャンピオン誕生となるか?!

1〜4試合:ゆかりん記
5〜7試合:ぷぅさん 記


第一試合
山本"KID"徳郁 vs 門脇 英基 ×
(PUREBRED大宮) (和術慧舟會)
1R(4:02) TKO
観戦記
 開始しばらくは両者スタンドでの攻防が続く。門脇はタックルでグラウンドに持ち込むも、KIDはガードから強引にパンチを放つ。そのうちの一発がクリーンヒットし、門脇が白目をむく。そのままレフリーストップとなるが、KIDはまたも興奮状態。白目をむいた門脇に、襲いかかろうといわんばかりの闘志をむき出しにしていた。前回に続き、レフリーも巻き込まれそうであった。



第二試合
阿部 和也 vs 石川 真 ×
(パレストラTOKYO) (PUREBRED大宮)
1R(0:29) TKO
観戦記
 あっという間のKO劇に一体何が起こったのか分からなかった。阿部の右フックがヒットし、石川はそのまま失神。危険な倒れ方であった。



第三試合
井上 和浩 vs フラビオ・ペローバ ×
(インプレス)  (ワールド・ファイト・センター)
判定 3-0
観戦記
 井上が上、ペローバが下。井上は上からパンチを放つものの、その後の展開があまり見られない。ペローバも下から攻撃することもなく終了。




第四試合
中山 巧 vs ブルーノ・ケロイ ×
(パレストラTOKYO) (ワールド・ファイト・センター)
判定 3-0
観戦記
 中山の身体能力の高さをどれだけ発揮できるか注目していた試合。コーナーでの差し合いが続き中山がテイクダウン。グラウンドではいつパスをするかと見入っていたが、ケロイもなかなかのディフェンスを見せる。その後、小刻みなパンチやスタンドでのヒザ蹴りなど、中山が攻める場面が多かったが、極めるまでには至らず判定へ。



第五試合
山下 志功 vs レオポルド・セラオン ×
(パレストラSAPPORO)  (クルービー・ジ・ルタ)
判定 2-0
観戦記
 クラスA初戦となる山下。'99以降のデビュー組では、出世頭に入る山下だが、同じく'99以降のデビュー組である池本に比べると、その印象は地味である。それは、山下の試合運びが実に、堅実無比なものであるだけでなく、そのキャラクラーも「浪速の貴公子・池本」に対して、「北の魔人・山下」という様に、「動かざること山の如し」と言った印象を受けるからであろう。しかし、最近2試合は連続一本(KO)勝ちと勢いに乗っており、試合順も後楽園ホールの上から3番目という、ファンに山下志功ここにありをアピールするには絶好の機会だ。対するセラオンは初来日、修斗デビュー戦となる。しかし、パンフレットを見ると、その戦績には驚かされる。PRIDE15に参戦したシュートボクセヘビー級の秘密兵器、アスエリオ・シウバに勝利しているのだ。そして負けているとはいえ、5月1日後楽園ホールにおいて、郷野と引き分けたムリーロ・ニンジャとの対戦経験もあると言う。未だ見ぬ強豪の出現に山下がどう対抗するのか、外国人天国と言われるライトヘビー級を、覆すことが出来るのか、今後のライトヘビー級を左右する重要な一戦となった。
 1R。山下が胴タックルに入りテイクダウンを奪うと、セラオンはポジションを許さず、足を利かすという展開に終始する。セラオンは差し合いから時折顔面へのヒザを披露するが効果的なダメージは与えられない。セラオンがヒール、山下がチョークを狙いに行くシーンもあったがキャッチまでには及ばない。
 2R。1Rと同様、山下がテイクダウンを奪い、セラオンがポジションを許さないという展開に。タックルから相手を担ぎ上げテイクダウンしたり、バックを奪うなど山下も要所要所で非凡な動きを見せるも、観客は苛立ちを感じ始める。
 3R。山下しつこくテイクダウン。ハーフまで持って行くがそこから先の展開を作れず。肩の打撃やボディー、顔面へとパンチを繰りだすも決定的なダメージを与えられず試合終了。
 ファンとしては消化不良な試合内容であったことは、間違いない。しかし、修斗の招聘する外国人選手の力を考えると、後から山下は凄かったとなるのではないか。試合を通して防戦に回っていたセラオンだが、足が良く利き、関節技を仕掛けられた時に、カウンターの関節技で応酬するなどかなりのハイレベルの攻防を披露した。テイクダウンからパス狙いという、堅実な攻めを展開する山下だからこそ、セラオンの長所を潰すことが出来たのではないか。後楽園ホールのファンには、渋いアピールとなったが、逆にその自力をまざまざと見せつけることにもなった。次は、上位ランカー喰いで、一気に日本人優勢と行こうじゃないか。



第六試合
秋本 じん vs 廣野 剛康 ×
(K'z FACTORY)  (和術慧舟會)
判定 3-0
観戦記
 両者の対戦は'99の4月に一度行われている。判定の結果は、0−1で廣野が1P取る形となった。結果はドローに終わったが、デビュー2戦目で勝ち星の無い廣野を相手に、プロのキャリアを積み重ね、一階級上のライト級でもランカーとして活躍していた秋本には、負けと同等の試合結果であったに違いない。事実、今回の試合への、秋本の入れ込みようには鬼気迫るものがある。また、11月のフェザー級タイトルマッチにおいて、その挑戦者が同門のフェザー級2位・大石真丈と発表されたことで、その気合いの入り方は尋常ではないはずだ。ライト級から転向してきた大石は、フェザー級では無敗。一本勝ちの山を築いている。秋本にとって、もし大石がタイトルを獲れば、いつまでそのベルトに挑戦出来るかは分からない。初代フェザー級チャンピオンになることが出来なかった自分から、再びベルトが遠ざかってしまうのだ。一方の廣野は、見た目はマイペース。しかし、修斗において未だ1勝しか出来ておらず、下位ランカーにも負けている現実を考えると後は無い。
 1R。廣野のタックルを秋本がギロチンで返す。ギロチンの入り方を仁スペシャルへと移行して、暴れる廣野を落としにかかる。しかし、廣野も粘り、起死回生の体を横に回転させながらの脱出。廣野が酸素を得る間もなく、秋本はバックマウントへ。腕を絡めて、回転しながら腕十字に行くと、廣野が腕を引っこ抜き、上を取る。
 2R。秋本は右のスイングフックをヒットさせると、すかさず左の返しを放っていく。廣野はガードを固めながら秋本に組みつくと、すぐに引き込む。しかし、秋本はつき合わず下からのヒールもはずし、パンチを打ち下ろす。廣野は必死に秋本を蹴り上げ離そうとするも、桜庭ばりのはずかし固めでパンチを狙われる。
 3R。廣野はかなりスタミナをロスしている感じ。秋本が威嚇し、パンチを狙っている。廣野のバックブローが空を切り、両者組み合うと秋本がヒザを2発。そこから、秋本が怒濤のパンチラッシュ。残り一分半で計30発は繰りだしたであろうパンチだが、クリーンヒットは無し。試合終了。
 終始攻め続けた秋本は、勝利を確信してのガッツポーズ。廣野には自分の負けが分かっているのだろう、元気が無い。判定は3−0秋本。最初から最後まで攻め続けた秋本の姿は、自信に満ち溢れていた。子供をリングに上げ勝利の余韻に浸っている姿は、近い将来ベルトを巻いた姿に変わるだろう。秋本が忙しくなるのは、これからだ。




第七試合
アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ vs 勝田 哲夫 ×
( ワールド・ファイト・センター)  (K'z FACTORY)
判定 3-0
観戦記
  「大和魂」エンセン井上が巻いたヘビー級。「青い目のシューター」エリックが初の外国人王者となったライトヘビー級。関島・石川・桜田・桜井、彼らが手にした黄金のミドル級.。数ある修斗史の中でも伝説の「シューター・中井祐樹」が残したウェルター級。修斗の競技としての広まりが形になったフェザー級。そのどれもが伝説的に語られ、修斗史に光を当て続ける存在である修斗チャンピオン。しかし、その輝かしい歴史の中にあってさえも、各々の階級では、ランキングが充実しなかった時期やチャンピオン不在の冬の時代がある。
 そんな中、圧倒的な選手層の厚さで、修斗一のレベルの高さを誇示し、設立以来チャンピオン不在を経験したことの無い唯一の階級がライト級である。「打撃の鬼」田中健一。「浪速の黒豹」坂本一弘。「奇人」朝日昇。挑戦者がチャンピオンを破るという、最も自然な形で受け継がれていったそのベルトの行方は、今や日本の真裏にある「情熱の国・ブラジル」である。
 「ペケーニョ」と呼ばれるその青年は、ベビーフェイスな外見からは想像もできない圧倒的な強さで、若干21歳にして修斗一レベルの高いライト級を制してしまった。そのペケーニョの強さの象徴が、通称「ギロチン」と呼ばれるフロントスリーパーである。ペケーニョはこの伝家の宝刀で、対戦相手を次々と葬ってきた。21歳という若さと一通りのトップランカーをことごとく撃破している実績から、長期政権は間違いなしといわれていたペケーニョだがデビュー7戦目にして初の苦渋を舐めることとなる。
 その相手が今回の挑戦者であるライト級一位・勝田哲夫だ。その無尽蔵のスタミナをベースに技術とパワーが融合した寝技を駆使し、勝田は無敗の王者の戦績に土を付けた。朝日が敗れ、巽が敗れた「ギロチン」を勝田は二度に渡り脱出。そう、勝田はペケーニョに初の黒星を付けただけでなく、脱出不可能とされていた「ギロチン」からの唯一の生還者なのだ。しかし前回の試合を見る限り、勝田がペケーニョを越えたとは言えないだろう。試合はキャッチが獲られていてもおかしくない場面が二度もあり、紙一重の判定勝ちであったと言える。今宵いよいよ、修斗チャンピオンシップでは恒例となったブラジル国歌と「君が代」が流れ、超満員の観客の見守る中、新しい伝説の1ページがめくられた。
 
 1R。両者共にスタンドでの攻防を望み、安易にタックルには入らない。ペケーニョの左ローがヒットすれば、勝田もサウスポーの構えからワンツーで牽制する。間合いは少し遠目、ちょうどキックボクシングくらいか。徐々に勝田の左ストレートがヒットするようになり、場内は勝田コール一色に染まる。勝田の左ローに合わせペケーニョのミドル、右ローのコンビネーションを返す。両者やられたらやり返すという拮抗した内容の序盤であった。
 しかし、1Rも終盤に差し掛かるとペケーニョが勝田に襲いかかる。遠い間合いからパンチで飛び込み、首相撲からヒザの連打という凶行におよぶ。勝田も首相撲から逃れ、左ストレートで返すが、ペケーニョは右ローからの右ヒザを勝田の顔面に強烈に叩き込んだ。勝田の顔面が一瞬はじけ飛び悲鳴が上がりラウンド終了のゴング。1Rの印象は、30-30のイーブンか。ペケーニョはヒザを多用し、攻撃に映った時の爆発力がずば抜けている。勝田は立ち技の打撃に大きな進歩を見せ、その左ストレートは王者ペケーニョが全く反応出来ない切れである。両者の動きに共通しているのは、好勝負が続いた前の試合達を遙かに凌ぐスピードがあるということ。
 2R。勝田は積極的に左ローを出して行きペケーニョの足が流れ始める。1Rよりも左ストレートがヒットし出すと、再度勝田コールが響き渡る。しかし、勝田ペースもつかの間に、ペケーニョの攻撃が爆発する。右のパンチから左のフック、右ヒザ。この試合初めて二人が密着すると、ペケーニョは迷わず伝家の宝刀「ギロチン」を抜いた。勝田もスタンドのままペケーニョの片足タックルに取るが逆効果。グランドになると、鈴木レフェリーのキャッチの右手が上がるのに時間は掛からなかった。大勝田コールの中で挑戦者は深い眠りに着いた。
 挑戦者・ライト級一位勝田哲夫。失神。
 二度目の防衛を果たしたペケーニョは、咆哮し勝利の雄叫びをあげた。この瞬間、日本人が長い間守り続けた伝統のベルトを、「必死」になって守り抜いた一人のブラジル人ファイターを見た。
 日本人以上に己の人生を修斗に賭けている王者の姿は、真の意味で修斗という競技が世界へ羽ばたいた瞬間であった。







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