観戦記アップ。


第一試合 02年度新人王トーナメント フェザー級1回戦 5分2R
× 小塚 誠司 vs 横山 宜行
(PUREBRED大宮) (総合格闘技STF)
判定 0-3
観戦記
 デビュー戦において、「クラスBの実力者・藤田善弘」をグランドでの激しい打撃で完封した小塚。3戦2勝1引き分けの戦績と併せ持った闘争心から、新人王戦の優勝候補と目されていた。それだけに、デビュー2戦目・未勝利の横山には、すんなり良い勝ち方をしてアピールしたい処。対する横山は、未勝利ながらも勝てば「オイシイ」相手か・・・。
 試合は、初回開始早々、小塚のパンチで横山がいきなりダウンかと思われたが、上手くごまかし、ヒザなどを返していく。その後は、コーナー際でのテイクダウンの探り合い、グランドでのペースの握り合いに終始する。結果、終始上を取った横山が1R開始早々のピンチを凌ぎ切り判定勝利。




第二試合 02年度新人王トーナメント バンタム級1回戦 5分2R
× 端 智弘 vs 塙 真一
(PUREBRED大宮) (和術慧舟會)
判定 0-2
観戦記
 そのルックスから“ピットブル”を彷彿とさせる端智弘。試合度胸も満点で、負け越しているその戦績が未だに信じられぬ感がある。本日がデビュー戦の塙には、苦戦さえも許されないトーナメント一回戦である。
 ハイキックで一発を狙う端に対して、塙もローで返していく序盤戦に好試合の予感。しかし、その後は第一試合と同様に、コーナー際にて差し合いながらの膠着が目立つ。判定は、辛くも端を支持したが、勝者と敗者の明確な差は見せられなかったと言える。
 ランキングさえも制定されていないバンタム級であるが、新人王トーナメントの顔ぶれは、他の階級にひけをとらぬ充実ぶりである。「優勝候補の漆谷」、「名勝負製造器・実弟阿部マサトシ」、「実力者石井を一本で破った男・生駒純司」。今日の端の出来では、準決勝の相手と予想される漆谷には、はっきり言って勝ち目が無い。関係者内での評価の高さを、一刻も早く観客の評価へと変えて欲しい。もっと獰猛に、対戦相手を喰い殺すような殺気を身に纏った端が観たい!




第三試合 ライト級 5分2R
石川 真 vs 南部 陽平 ×
(PUREBRED大宮) (シューティングジム横浜)
判定 2-0
観戦記
 クラスA目前と言われながらも結果が出せない両者。このままでは、若手の有力選手に追い越され、万年クラスB→引退という最悪の結果が。とにかく、真のサバイバルマッチと呼べる気持ちのぶつかり合いで、観る者に存在をアピールして欲しかったのだが、試合内容は・・・。
 男として格闘家を心ざしたなら、プロシューターとして生きるなら、両者ともこのままでは終われないだろう。




第四試合 ライトヘビー級5分2R
山下 志功 vs 北川 純 ×
(パレストラSAPPORO) (直心会格闘技道場)
判定 2-0
観戦記
 体を絞り、戦績も上向きの北川の番狂わせかと思う程の、拮抗した内容に。ランカーとして、竹内へのリベンジを果たさなければならない山下には、少々がっかりした内容。どうした山下!中山に置いてかれるぞ!




第五試合 ライト級 5分3R
× 阿部 裕幸 vs パレット・ヨシダ
(AACC) (PUREBRED大宮)
判定 ドロー(1-1)
観戦記
 試合前の予想では、阿部兄が磨き抜いてきた打撃で、いかに「寝業師・バレット」を翻弄するかに焦点が集められた。ところが、1R開始のゴング後両者の拳が交えた瞬間、リングに横たわっていたのは、ナント阿部兄だった。この誰もが予想だにしなかったオープニングが、歴史に残る名勝負を凡戦へと変えてしまうことに。パニックに陥った阿部兄は、急場凌ぎのため、バレットを密着戦へと誘い込む。こうなると、本日5回目のコーナー際での膠着が続く展開に。その後のラウンドでは、両者共にスキルアップした打撃で打ち合う場面や、組み合う中でバレットがギロチンを繰りだす等、それなりに見せ場はあったものの、リング上の2人のトップ選手へ向けられた観客の期待は、遙かに上を行っていた。
 試合の結末も皮肉なもので、勝利を完全に手中に収めつつあったバレットの反則(グランド状態の相手への顔面蹴り)が減点となり、ドロー。バレット陣営にとっては、修斗での戦いにモチベーションを無くしかけていただけに、手痛いドローであったに違いない。勝負は、「一寸先が闇」ということを改めて実感させられた結末である。
 反対に、対する阿部兄にとっては、まだまだ勝負運がある証拠。タイトル獲り宣言をしたばかりの阿部兄には最悪の内容であったと言えるが、結果は下位ランカーの突き上げを押さえ込んだものと言える。究極のプラス思考で、次は未対戦の上位ランカーとチャンピオンシップ出場権を争いたい処。




第六試合 ウェルター級 5分3R
雷暗 暴 vs マーシオ・クロマド ×
(無所属) (スポート・フィジカル)
判定 3-0
観戦記
 KIDvsカルドッソ戦の突然の中止を受けて、メイン昇格となった外国人トップランカー同士の一戦。2人のキャリアとランキングを考えれば、よりふさわしいか。2002年のウェルター級チャンピオンシップを占うこの一戦は、テクニカルでトータルファイターの雷暗と、未だに全ての引き出しを明らかにしていないクロマドという、修斗内で現在考えうる最高のカードとなった。
 開始早々雷暗の打撃が爆発するかと思いきや、果敢に攻め込んだのはクロマドだった。今まで、フリッカー気味のジャブ程度しか見せていなかったクロマドの打撃は、見ている者以上に対戦相手の雷暗を驚かせた。出鼻を挫かれた雷暗は、前の試合の阿部兄同様に、クロマドに密着を試みる。両者共に、寝技のスキルも高いだけにどんな攻防が見られるかを期待するも、その思いははぐらかされ、立ちレスでの膠着が続く。どちらも、攻めたいのだが相手を警戒し過ぎている様子。ついには、3Rまで膠着が試合を支配する。勝敗は、3R後半に雷暗が上になった時の攻防が評価されてか、雷暗の判定勝利。負けたクロマドも、ダメージが無いだけにより悔しそうだ・・・。

 ともあれ、ウェルター級のトップランカー同士の一戦をものにした雷暗の今後は微妙だ。自分の上にランクされているのは日本人トップ3。その内、チャンピオンと1位とは手を合わせている。となると、必然的に対戦相手はあの男。「蘇る月狼・佐藤ルミナ」か・・・。いずれにせよ、雷暗の今後が修斗ウェルター級をもっと激しく、魅力的なものへと進化させるだろう。


試合後記

 
 メインを含め、オール判定。そして、オール膠着戦。

 試合を通じて感じたのは、選手達が勝ちたいという意識よりも、負けたくないという意識を先行させてしまっている処。確かに、攻めるという行為はリスクを伴う。スタミナを切らすこともあれば、隙をつかれて攻め込まれてしまうこともある。ただ、今更そんな話が話題になるということが、プロフェッショナルとは言い難い。格闘技がブームと言われなくなってきた最近。しかし、明らかに格闘技に対する、世間の認知度は高まってきている。これは、業界全体がブームを乗り越え、安定期に入ったものと言える。それを証明するかの様に、ジャンルは違えど一月に一度以上は、ビックマッチと呼べる試合が行われている。当然修斗においても、例外ではない。

 今、修斗の会場に足を運ぶと、明らかに一時の熱気は無い。しかし、それだけに見に来るファンは、真の修斗ファンであるはず。スイープがあれば自然と拍手が起こるし歓声が飛ぶ、関節技に至ってはキャッチとならずとも、体勢に入れるかどうかで場内に緊張が走る。今日の大会だって試合が少しでも動くと、歓声が沸いたものだ。しかし、そんなに目の肥えたファンさえも、納得させられなかった試合の数々って「アリ」ですか?

 「印象良いよー」
 「○○さん、印象良いよ。このまま、このまま。」
 「印象悪いから、コーナーから出よう。」
 
 セコンドの数々の言葉に、そんなにジャッジの印象が大切なの?と言いたくなった。修斗がスポーツを目指すって、こういう事なの?とも思った。実際観客の反応も敏感だ。そんな選手の試合には「ガンガン行こうぜー、新人!」という、手厳しい野次も飛んだ。
 何も判定勝ちが「絶対悪」とは言わない。中には負けない試合も必要だ。しかし、せめて素晴らしい判定勝ちを見せて欲しい。

 冗談なんかではなく、今後インターバルでの選手プロフィールで「○つの一本(KO)勝ちがあります」という処で一本(KO)勝ちの無い選手は、「一つの一本(KO)勝ちもありません」と紹介して欲しい。そして、アマチュアからプロになる選手に対して、「アマとプロの違い」の講習会を開いて選手の「意識改革」に挑んで欲しい。現在の修斗を家計で表すと、間違いなく赤字。偉大な先人達の築き上げてきた財産に、どんどん手をつけてしまっている状態だ。


 ただ、2日前に行われた下北大会のように、これからの修斗の歴史を作って行ける男達も存在する。「弘中邦佳」・「川尻達也」・「朴光哲」は間違いなく実力とカリスマ性を秘めている。他にも、「石田光洋」・「岩瀬茂俊」・「阿部マサトシ」など期待の選手達も、次々に結果を残している。今後プロモーターには、自分の処の選手達を率先して出場させるのではなく、「一本(KO)勝ちを狙う選手」にオファーをかけて欲しい。



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