2001.5.27 横浜アリーナ
全九試合

第一試合
× ジョイユ・デ・オリベイラ vs ニーノ・”エルビス”・シェンブリ
1R 腕ひしぎ十字固め
観戦記
 ニーノ、日本初お目見え。注目はヒクソンの再来と言われている男の極技。出るか、『飛びつきオモプラッタ』。開始後、何度か試みたタックルを見ると、バーリトゥード界をレスラー達が席巻しているのを感じる。何発か打撃の交換をした後に、ニーノ、しつこいタックルでテイクダウン。ハーフガードからパスを狙う緊張感はPRIDEのそれを超え、まるでアブダビの再現。サイドポジションからアームロックを狙うとみせてマウント奪取。その後は流れるように腕十字。火消しファイター、オリベイラを見事鎮火。わずかの出動劇であった。


第二試合
松井大二郎 vs ジョゼー・ランジ・ペレ ×
判定 3-0
観戦記
中量級NO.1の呼び声高いペレのPRIDE初見参。開始直後の跳びヒザ蹴りが松井の顔面に大ヒット!!その後のペレの詰めが甘く、フィニッシュには至らず。ペレがバックマウントを取ったまま1Rの多くの時間が経過。その際、松井の背中に強烈な「イジメっ子」ヒジ。ペレの反則により両者スタンディングへ。そして1R終了のゴング。2R・3Rは共に決定的な場面なく、一進一退の攻防が続き試合終了。特筆すべきは、ペレが蹴る時のモーションが大きいのと(特に左腕に反動をつけるのですぐ分かる(^^ゞ)、松井のグラウンド技術の向上(特に攻撃面ではパンチ・ヒザ共にかなりの手数を出していた)だろう。判定は3-0松井。反則を加味すれば文句ナシの判定勝ち。ペレはスタミナのなさを露呈し、商品価値を落とした。松井の我慢強さが光った一戦であった。しかし、興奮の中でのマイクアピールで「DSEの森田さん」発言により、PRIDEから消えるのは松井かもしれない・・・(笑)。松井選手おめでとう!!


第三試合
× ガイ・メッツアー vs チャック・リデル
2R KO
観戦記
両者スタンディングバウトを選択するが、手数の多さに比べて5分間はクリーンヒットなし。試合が動いたのは8分過ぎ、メッツアーの大振りのフックがリデルのアゴを捉え片ヒザを突く。しかし、リデルはその後左ハイを受けながらも、右フック、右ヒザを返していき、互角の内容。2R開始直後、リデルのラッシュ。右ストレートで効かした後、右フックが3発ヒット。仕上げは右ストレートがメッツアーのアゴを打ち抜き失神KO。メッツアーは、船木誠勝にヒザの連打でKOされた高橋義生の様に、左ヒザを折りながらの衝撃ダウンであった。恐怖のモヒカンがPRIDEを激震させた一瞬であった。


第四試合
ゲーリー・グッドリッジ vs ヴァレンタイン・オーフレイム ×
1R TKO(ギブアップ)
観戦記
PRIDEの番人から負けが続き、PRIDEの登竜門的な存在となったゲーリー・グッドリッジ。方やリングスで商品価値を上げるだけ上げたオーフレイム(兄)。オーフレイム(兄)のローが2発ヒットし、その後ガードポジションからアームロックを取られる。しかし、ここからグッドリッジは凄かった。アームロックを取られた瞬間、ガードからハーフ、ハーフからサイドへとポジションをチェンジ。極められながらオーフレイム(兄)の顔面にヒザを一撃。オーフレイム(兄)はビックリしてのタップか???驚きは、勝利後のグッドリッジを迎えたコールマンの熱すぎる抱擁。余りの激しさにセコンドのコールマンの恐さを改めて感じた。


第五試合
× ヒース・ヒーリング vs ビクトー・ベンフォート
判定 0-3
観戦記
PRIDEのニューカマー対決。どちらが今後のPRIDEの顔となるか注目された試合であった。試合は、打撃・寝技をミックスした総合らしい試合となる。特に、スイープ(ビクトー)あり、パスガード(ヒース)ありと共に優れた技術の攻防を展開する。2R開始直後、ロープを掴んだヒースにイエローカード。その後(2R、3R)グラウンドでの攻防に終始するも、アームロックやヒザ十字など多彩な攻撃を共に披露する。判定は3-0でビクトーの勝ち。両者決め手は無かったが、体重差を考えるとビクトーの勝利を支持する。


第六試合
× 小路 晃 vs ダン・ヘンダーソン
3R レフェリーストップ
観戦記
誰がセコンドに付くか注目された小路。村上以外は分からなかったが、GCM関係はいなかったようだ。コールされた時に小路の人気の大きさを改めて実感した。開始直後、小路の右フックがヒットし、場内の熱気は早くもピークへ。1R中盤、打撃戦を展開するも的確にヒットするヘンダーソンのアッパーに小路は劣勢…。タックルも切られ、内掛けもかわされ打つ手なしかと思える内容で、顔を腫らし1R終了。2R、小路自ら引き込むも、打撃を食らい流れを変えられず、膠着を誘発する行為と受け取られ小路に注意1。3R、ヘンダーソンのアッパー・フック・ヒザと面白いように連打が決まる。右ヒザにより小路大の字、ヘンダーソンは両手を挙げて勝利をアピール。しかし、ゴングは鳴らずヘンダーソンも仕方なく上からヒザの猛攻。ヒザが数発ヒットした後、レフェリーが割ってはいる。ヘンダーソンが思い描いたゲームプランを確実に冷静に実行した、完勝劇であった。ヘンダーソンの試合後のコメントは「任務は完了した。」もしくは「アメリカイズNO1!」であって欲しい。


第七試合
ヴァンダレイ・シウバ vs 大山 峻護 ×
1R レフェリーストップ
観戦記
「金の卵」大山峻護がついにPRIDEデビュー。逆輸入ファイター&フリーつながりの須藤元気を従えてのリングインに物凄い歓声。地上波(SRS)の影響力の凄さを知った瞬間でもあった。両者のにらみ合いが会場の雰囲気を一段盛り上げた。が、しかし、試合はあっけなくレフェリーストップによるシウバの勝利。シウバが大山のパンチによって片ヒザを着く場面もあり、攻防も一進一退であったが、シウバの左フックが強烈に大山のアゴを打ち抜いた。その直後、大山は背を向けレフェリーが割って入った。会場は余りのストップの早さに大ブーイング。止めるのが遅くて有名な島田レフェリーの早過ぎる決断だった…。


第八試合
イゴール・ボブチャンチン vs ギルバート・アイブル ×
1R チョークスリーパー
観戦記
ウェイトを7kg落とし、前回から反省の色が見えるボブチャンチンと、「暴走ハリケーン」アイブルとの打撃対決!…なのに、試合はアイブルのヒザ蹴りをキャッチして上を取ったボブチャンチンがなんと!チョークスリパーによる一本勝ち。アイブルの『劣勢な流れを挽回できない精神力の弱さ』が、オーフレイム(兄)のタップする姿と重なった。


第九試合
藤田 和之 vs 高山 善廣 ×
2R レフェリーストップ
観戦記
プロレスラーによるバーリトゥード対決。元全日本vs元新日本によるトップ選手対決。そして、現役IWGP王者vsNOAHを主戦場にするトップレスラー対決。話題には事欠かない試合であった。ファンの両者に対するコールも、思わずプロレスかと思ってしまうほどである。しかし、試合内容は高田vsアレク戦を払拭するようなガチガチファイト。お互い、組んでからアッパー(藤田)、組んでからヒザ(高山)を強烈にヒットさせ、見応え充分。サバ折り状態から上を取った藤田は、頭部へのヒザを連発。なおも藤田は上からパンチを連打し、高山の顔を腫らし、藤田優勢で1R終了。2R、スタンディングで藤田はパンチを有効的にヒットさせ、片足タックルからバックへ回る。高山は腕を『桜庭式』にロックするが、テイクダウンさせられる。その後藤田はヒザを連打し、肩固めへと移行。高山はタップはしないものの、ピクリともせずレフェリーストップ。藤田が凄みを見せつけ、桜庭不在のPRIDEを救った。




試合後記
技術的にも、盛りあがり的にも充分見応えのある、良い興行であった。しかし、
【技術のレベルの高いもの同士で、体重差のある試合】というのは今後どんどんつまらない試合になって行くだろうと、5試合目を観て感じた。また、ボブチャンチンが試合後猪木に挨拶をしたり、藤田が永田とにらみ合ったりと、格闘技ファンを心配させる後味の悪い興行でもあった。



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